原因は?有名でも飲食店の業績が良くない3つの理由

今日も1日お疲れ様です。

今回も気になる記事があったので考察したいと思います。

関連記事:ラーメン安いのに 幸楽苑なぜ不調 – Yahoo!ニュース

売上・原価・人件費・立地条件・客層など、幸楽苑のような飲食業は小売業界と似たような部分が多くあります。1日当たりの客数や接客の方法など細かい部分での違いはありますが、数値の部分で気にするところは非常によく似ています。

今回は小売業界に勤務している私の視点から3つほど理由を考察していきたいと思います。

業績が不調になる理由で考えられるのは主にこの3点です。

・客離れ

・毎年上がる人件費や仕入れ原価の高騰

・良くも悪くも人は「慣れる」ということ

順番に見ていきましょう。

客離れ

お店の売上で「客数」は非常に重要な数値です。そもそもお客が来ないと始まりませんからね。

客離れは文字通り店の客数が減ることを意味します。その原因は関連記事にもありますが、競合他社の台頭や人口減、自店の商品の値上げやサービスの不具合など理由は多種多様です。

アフターコロナで客が戻ってくると思っていたら、そのコロナ禍の期間でもっといい場所を見つけてしまったというのが現実的だと思います。いつもよりも客数が少ない、予定より売れなくて調理場の冷蔵庫に材料が残るなど飲食業では目に見える形で客数の減少が見えることもあるのでは??

小売業(特にスーパー)はこの実感があまりありません。競合があっても多少割高でも、なんだかんだ毎日来る客数に大きな変動はないからです。逆に言えば、客離れと気づいた時は手遅れで、競合他社にお客が流れてしまったりするケースがあります。悩んだところでお客は戻ってきません。

毎年上がる人件費や仕入れ原価の高騰

各企業で毎年給料の見直しが行われるようになりました。これは正社員に限った話ではなくパートさんたちも時給改定という部分で働く身としては嬉しい話です。

しかし、企業(店舗)から見るとそんな給料も痛いダメージを受ける経費の一つです。

売上-(仕入原価+諸々の経費)=利益

本来は在庫金額も関係してきて複雑ですが、おおよそこんな数式で利益は計算されます。

諸々の経費と省略したところに人件費(給料)が含まれます。この他には光熱費や広告、従業員の社宅の家賃の負担額など本当にいろいろあります。

パートさんの時給が10円上がった場合でも、かなり大きな金額が人件費となります。

(10円×働く時間×年間勤務日数)→例:10円×5時間×年間200日勤務=10000円

時給金額にかかわらず、たった10円でこれだけの金額です。これが一人や二人ということではなく、会社の規模にもよりますが10人・100人規模で時給が改定されるわけです。

しかも各自治体で最低賃金の金額は上がる傾向にあります。最低賃金以下での労働は禁止されているので多くの人の時給の改定をすることになることも・・・。こうした経緯で給料に関わる人件費は膨れ上がっていくように思います。

それに加えて昨今の原価高騰の影響も考慮すると、昨年と同じ売上金額でも赤字に転落というのも納得の理由ですね。売上(収入)以上に仕入れ原価や経費(支出)が大きく膨らんでしまう・・・。インフレで厳しいのは自分の家庭だけの話ではないのです。

良くも悪くも人は「慣れる」ということ

「本日限り激安!!」や「数量限定大特価!!」などの表記で何か買ったことのある人は多いと思います。別に悪いことではありません。

人はいろんなことに慣れる生き物です。

上記のような原価高騰による商品の値上げも、当初は「高い」・「もう買えない」・「内容量が少ない」などいろいろ言いますが、1カ月もすれば何事もなかったかのように値上げの後でも生活しています。

小売業の店舗でも、「毎日お買い得!!」・「毎日この価格」・「安さで圧倒」などの文言に少しずつ客側は慣れてきます。

これも当初は売り上げが伸びますが、時間が経てばこの価格に慣れてしまって安いと感じなくなってしまい、続けても薄利多売(売上の割に大した利益が出ない)状態に陥ることになります。

何度も言いますが、人は慣れるんです。

これは飲食店でいうと目玉商品の価格設定が利益度外視で設定されており(例:原価300円を310円で販売など)、全く利益にならない状態です。手間暇かけて作ってたった10円の儲けでは話になりません。どれだけ売っても1日の人件費も賄えないレベルですね。

それでもお客側はその価格に慣れてしまっているので、いざ値上げしようものなら客離れという悪循環のきっかけとなる可能性も十分にあります。

以上3つの考察でした。

私は大学の頃、飲食店でアルバイトをしてました。当時は「値上げなんてありえない、できる限り安く」なんて店長は話してましたが、そうも言ってられない時代になったと感じてます。

最近ではお店の店頭に「価格改定のお知らせ」という内容を目にするのも珍しくありません。選ぶお店は客側の自由です。少しでも店側の状況を理解してほしいという思いがあるのでしょう。

飲食店はよく利用するので値上げは残念に思いますが、「高いからもう行かない」となったことはありません。値上げで来なくなるお客がいるのも事実かもしれませんが、値上げしても以前と変わらず来てくれるお客がいるのも事実ではないでしょうか??そうした理解のあるお客こそ本当の「お客様」と呼ぶのではないかと思います。

今現在は業績は良くないかもしれませんが、本来の客商売は「一人一人のお客様を大事にする」ことが根本にあるはずです。

どんな状態でも、そうした本当の「お客様」を大事にしていってほしいものです。

最後までありがとうございます。

それでは皆さん、今日も1日お疲れ様です。

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