今日も1日お疲れさまです。
普段の買い物で「お買得」や「広告」などの商品は多数あります。その一方で「別の店のほうが安かった」ということも少なからずあるのではないでしょうか??
スーパーの畜産部門の経験から、時期によって非常にお買得になり得る牛肉を3つ紹介します。
ただし、いくつか条件があることと、条件通りにしても思ったほどの効果がない場合も多々あることをご理解ください。あくまで「値段といい意味で釣り合わないものが買えるかもしれない」程度で認識していただけたらと思います。
本題に入る前に、畜産部門の肉の加工について説明します。
スーパーの畜産部門は肉の塊を包丁やスライサーなどの機械で加工します。その過程で厚さが均一でなかったり、脂肪が多かったりするなど、うまく切れなかった肉が発生します。
私の勤務先ではこれらを「端材(はざい)」や「クズ肉」と呼んでます。
こうした端材やクズ肉はどうなるのか??というと、小間切れや挽肉などで価値を下げて販売することになります。
牛肉のロースで優先順位を例えると、すき焼用・ステーキ用→小間切れ→挽肉の順に加工されていきます。
業務上そうした端材が出るのは仕方のないことでゼロにすることはできません。スライサーでの切り初めでうまく肉が切れない場合や、包丁で加工しようにも肉の切れ端がどうしても残ってしまう場合があるからです。
それらを「いかに廃棄せずに商品として売るか??」が非常に重要になります。廃棄したら売上にも利益にもなりませんからね。
さて、本題です。
結論から言うと、
「5月のゴールデンウイーク・8月のお盆・12月末の年末年始」の3つの時期で
「切り落とし(カタ肉)・小間切れ・挽肉」の商品が該当します。
順番に説明します。
切り落とし(カタ肉)
カタ肉の切り落としは年末年始の時期に販売される「肩ロース肉」が商品価値を落として販売される場合があります。
肩ロースは小間切れや挽肉にする前に、「カタ肉」に価値を下げて販売します。
優先順位としては、肩ロース(すき焼や焼肉)→カタ(切り落とし)→小間切れ→挽肉の順です。
特に牛肉の肩ロースは人によって商品価値の見極めが異なるので、「価格はカタ肉なのに中身は肩ロース」ということもあり得ます。肩ロースとカタとでは100g当たりの単価も異なるので狙い目です。
見分けはつきにくいですが、同じ消費期限の牛肉肩ロースとカタ切り落としを見比べてみると似たようなものがあるかもしれません。年末年始に限らず、「牛肉の肩ロース〇割引セール」のような広告がある時は、肩ロースの商品の近くに必ずカタ肉の商品が並んでいるはずです。
その中でも年末年始は1年の中で最も売上が見込める時期で商品の物量も多くなりがちです。それに比例して端材になる肉も増えるので、上記のような割高な商品を安く購入できることに繋がってきます。
小間切れ
小間切れにはバラやモモ、カタやロース、スネなどのいろんな部位が混ざった肉で構成されてます。
上記のカタ肉でも切り落としにもならない細かい端材や、他のモモ肉やバラ肉で焼肉やすき焼用に適さないところの端材で小間切れは加工されます。
平日によく手頃な価格で品揃えしてあるものは、それ専用の原価安めの原料を使ってますが、繁忙期はそれが必要ないくらい端材が発生します。
私は勝手に「豪華な小間切れ」と呼んでます。
そうした「本来は小間切れ用で使用しないはずだった」肩ロースやモモの端材で構成されたものも品揃えされているので狙い目です。
こちらも上記の切り落としと同様、本来販売されているものよりも安く購入することができますが、いろんな部位が混ざっているので、構成されている部位によっては「普段の小間切れと大差ない」ということもあるのが難点です。
挽肉
挽肉は本当に端材の中でも最終手段です。端材というよりもクズ肉と言っても差し支えありません。
小間切れを加工した後の本当にどうにもならない肉片は最終的に挽肉になります。
小間切れの売価でかろうじて赤字くらいの売価ですが、挽肉はそれよりも一番単価が安くなるので、クズ肉は出した分だけ大赤字となります。
そうした理由でなるべく出したくないクズ肉ですが、これも上記で説明した通り、繁忙期は挽肉になってしまうクズ肉も増えます。
店舗にもよりますが、私の勤務先で挽肉は冷凍原料などの安価な原料を解凍して作られます。
繁忙期(特に年末)は普段よりも挽肉は売れませんが、その中に豪華な黒毛和牛の原料が入っている場合もあります。
これは普段使用する挽肉専用の原料とうまく混ぜて作られるので見分けが全くつきません。
そのため、「年末に買った挽肉が美味しかった」場合は本当に運が良かったと言えるでしょう。
普段の業務でもクズ肉は出ますが、年末年始はその比率が高まるので年末年始の買い物で少し買ってみるのもアリだと思います。
最後に
上記の3つのシーズンは有休も例外的に控える案内を出すほどの繁忙期です。この時期は店舗では朝早くから夜遅くまで準備をして皆さんが満足に買ってもらえる売場を作ってます。
売上規模や地域によってはこうした時期でなくても、週末にこうした端材で割安な商品が並ぶこともあります。
畜産部門の業務で、特に牛肉の扱いは直接利益に響きます。単価の高い商品なので、ちょっとでも廃棄する部分が多いと露骨に数値に現れます。100g当たり998円の和牛肩ロースの食べれそうにない脂を100g捨てると金額的には・・・などと考えると分かるのではないでしょうか??
畜産部門で働いている人が見ればすぐに分かるものですが、そうでない方は余程の肉好きでもないとこうした「宝探し」は難しいかもしれません。
畜産部門の売場はこうした原料(特に端材)の使い回しが利益を下げないポイントなので、どのスーパーの店舗でもこうしたことは実施しています。
魚で例えると、「1尾まるごと売るか?その1尾を切身と刺身の柵にするか?」といった具合です。
よくわからなくても「こんなことやってて、うまくいけばいいものが安く買える」くらいに覚えていただけたらと思います。
記事を書いていて感じましたが、自分の仕事の説明って難しいですね・・・・。文章化の技術はまだまだです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは皆さん、今日も1日お疲れさまです。
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